「士と師」の使い分け ~その1~

事務局の三浦です。このブログも随分ご無沙汰しています。
今回は気楽なところで「士と師の使い分け」(司もありますが)を調べてみました。
これについて皆さん何か疑問をもたれた事はありませんか。一体どんな法則というか理屈で振り分けられているのか。
私も以前から何故なのだろうと時々は思ったことがあります。師は何かこう特別の技術を持った人で、士は口で仕事をする(怒られるかな)とほとんど理屈にならない考えを漠然と持っていました。

同じ様な疑問を持つ人は大勢いると思え、検索サイトをみるとけっこう沢山出てきました。
しかしその多くは例外まで含めてその説明では無理では? ともうひとつ説得力のないのがほとんどでした。
その1ではいろいろな考えをいくつか紹介しておきます(引用は『』で示していますが、省略・要約はあります)。

まずは教育出版・中学校 国語ではそれぞれの漢字のもつ意味の異同から入り、『「士」は「成年の男子」「役人」の意味で、転じて「学問や教養のある人」「事を処理する能力のある人」「さむらい」をいい、称号や職業名につけたことから国家試験等によって取得する次のような資格の名称にも用いるとしている。「栄養士・海技士・・・ボイラー技士・理学療法士」etc.
一方「師」は「多くの人々」「いくさ」の意味があり、「師団」「出師」などの語に用いられている。また転じて「教え導くもの」をいうようになり技術者や専門家を示す。このような用い方から「師」は次のように一定の職業に就く資格の名称に用いられる。「医師・灸師・・・・理容師・臨床検査技師」etc.
「司」は字訓の「つかさ」「つかさどる」が「役所」や「公の仕事を取り扱う人」を意味し、この用い方の延長の職名として「児童福祉司・身体障害者福祉司・知的障害者福祉司・保護司」etc.などがある。』としています。

文化庁「言葉に関する問答集」~「看護士」か「看護師」か では次のように説明しています。
『従来,女性の場合を「看護婦」,男性の場合を「看護士」と呼び分けていましたが,法律の改正によって2002年3月から男女の区別なしに「看護師」と呼び,そのように表記するように制度上変更になりました。この法律改正によって「保健婦」「助産婦」もそれぞれ「保健師」「助産師」に改められました。
一方,資格として「保育士」「栄養士」は,もともと男女の使い分けによるものではなかったので,それぞれ「士」が資格や職種として使われているとのことです。監督官庁が異なり,それぞれの経緯があるので「師」と「士」が混在しているのが現状です。
以上のように,漢字本来の意味から,男性についていう「士」や集団のリーダーをあらわす「師」を使い分けている場合と,結果的にそうでない場合が生じるのです。』
もちろんその通りだと思います。名称は法律で定められ、主務官庁が決めており文化庁は言葉の動静を調べるだけで関知はしません。上記の教育出版・中学校 国語もそうですが語源からの説明では無理があるようです。 ちなみにこの問答集での「看護師」では1993年の法律改正により、1994年の国家試験で男性看護士が誕生し、女性の場合を「看護婦」、男性の場合を「看護士」と呼び登録簿も分けていました。次の法律改正で2002年3月から男女の区別なしに一律に「看護師」と変更になりました。ただ助産師については法律で「・・・を行うことを業とする女子をいう。」とあり、助産婦→助産師の名称変更だけで資格を取得できるのが女性に限定されています。

素朴な疑問集の投稿ではこう言っています。
『・「師」は社会状況がどうなってもとりあえず食べていけそうな「手に職」系の職業が多い。
・「士(さむらい)」は、国のお墨付きによって成り立ち、絶対その人がいないと成り立たないというわけでもない、そんな職業が多い。

・「士」の仕事は、能力があれば自分でやり、能力が無い場合に「士」に頼む。
・「師」の仕事は、資格を持っている人にしか能力がないから「師」に頼むということ。

・「師」とつく職業は 免許が必要なもの
・「士」とつく職業は 資格が必要なもの
そうではない例として歯科技工士は、医師等と同じ大臣免許の必要な職業。

・師→業務独占
・士→名称独占
そうではない例として臨床工学技士という職業は、業務独占で、医療技術職でも、必ずしもその違いは成立しない。』

奥深き日本語の世界~「師」と「士」では 『原則:実際の名称に従う。(←全くその通りです。)
「師」は、技術・技芸などの語に付いてその専門家であることや、それを教授する先生や師匠であることを表し、「士」は、本来男性・男子の意で、特に学問・道徳・資格・技術を身につけた人物であること
を表す。』とし『しかしその他実例を見ればそうとも限らないことは一目瞭然です。』と付け加えています。

 ここまでではよくわからないですね。語源からの説明ではそういうことなんでしょうが、実際では
例外が多く、統一的に納得できる説明はみつかりません。 そんな中で今回調べた所まあまあ納得のいくサイトを見つけましたので、次回では紹介したいと思います。

Comments are closed.